5 建物部品の寿命と交換サイクル
住いは器の中に耐用年数が異なる部材で構成されています。耐用年数には2つの意味があり、その一つは機能・性能として劣化したもの、二つ目が機能・性能は維持されているが、時代に合わなくなったものがあります。
下図のように、住まいを構成する部品の耐用年数は異なります。それぞれの部品の耐用年数、生活のライフスタイル更新によりリフォームやリノベーションが必要になりますが、無駄な投資をしないように改修計画を組むことが大事です。その為にもリノベーションをする際には住宅診断を行い、それぞれの部品の劣化状態を知る必要が有ります。
※この診断は、不動産流通で使われる目視中心のインスペクションとは異なり、出来るだけ建物を数値化したものです。
また、インターネットなど、その時代毎に必要となる物もあり、その更新は極めて速く進みます。このような事にも対応し続けられる装置も必要になります。
6 工法の違い
ここで記述する工法は、工事が終わってからでは見えなくなる下地の工法について違いを記述します。工法は大きく分けて、木か鉄かの違いです。
木は大工が木軸材を1本ずつ加工し取付けていくので、職人の腕や気質がそのまま品質に現れます。
一方の鉄は軽量鉄骨を使用したLGSと呼ばれる店舗や事務所の下地に使われるものです。現在はマンション住戸の下地にも使用されますが、非常に大きな音と火花が出ます。
これらの工法はそれぞれ強みも弱点もあり、その解決の為に「NEXT-Infill®」が開発されました。
軽量鉄骨(通称LGS)下地
・施工騒音が著しく、切断時に火花が出る
・躯体にビスで取り付けるので共用部に穴をあける
・生活開始後に音が反響しやすい
・地震時にきしみ音が発生しやすい
木軸
・施工音は静かだが工期が長い
・施工する人の技量に左右される
7 高く売れるリノベーション
自分がリノベーションした家が売りたい時に高値で売れる事は重要なポイントです。市場性もあるので必ずそうなるという訳ではありませんが、そのポイントが下記の4つです。
■ 手入れが良くきれいに使っている
■ 使いやすいプラン
■ プランの可変性が高い
■ 安心できる家
○ 耐震性が高い
○ 断熱、換気、遮音などの住宅性能が高い
○ 修繕などの履歴が整備されている
一般に戸建住宅は建ててから20年もすると土地価格だけになると言われています。これは不動産評価制度や社会的な欠陥以外に、戸建住宅は建てた人の嗜好が強く反映され流通しにくいという理由があります。一方、マンションは元々、建てるというよりも買うという要素が強く流通しやすい住宅です。
再販性が高い家であるためには、上記に挙げたポイントが重要です。また、家で過ごす時間が多い主婦(女性)の目線に叶わない住宅以外は売りにくい家になります。
設計者が、使いやすく安全安心な住宅を設計し、顧客への適切なアドバイスと顧客のお気に入りのデザインを実現することで、長く大事に住んでいただけます。
このように大事に使ってこそ住宅の価値が存続し高く売れるになると考えます。雑誌に掲載されているコンクリートに塗装したような家では安全性に欠け住みにくく再販性も低くなると思います。